メダカの稚魚、針子をあっという間に大きく成長させる育て方や飼育法について実際にメダカを飼育、販売しているプロが説明します。
メダカの稚魚や針子の成長速度について
メダカの稚魚や針子は、普通に水槽で飼育していると3か月ぐらいかけて1~2センチ程度の若魚に成長します。ですが、プロの業者は2ヶ月で産卵可能なサイズにまで成長させます。
私も真夏で屋外という条件下ならば、2か月足らずでお店で売られているメダカの成魚と変わらないレベルのサイズに育てることは可能です。
上記は2022年の8月に産まれたメダカを2022年の10月5日ごろに撮影したものです。生後二ヶ月でもう3センチ以上あります。9月の時点で産卵を始めており、成長スピードだけ見ればベテランの業者より早いです。
もちろんメダカを育てるのはじっくり育ててラメや体外光などを出すことも重要なので、ただ単に針子や稚魚を早く大きくすればいいというわけではありません。
ですが、早く大きく成長させることには自信がありますので、今回は、メダカの稚魚や針子をあっという間に大きく成長させるコツを紹介します。
メダカの針子・稚魚はエサをこまめに複数回与える「飽和給餌」すれば大きくなる
最初に結論として、メダカの針子・稚魚はエサをこまめに複数回与える「飽和給餌」を行えば、大きくすることができます。
具体的には、1分程度で食べ尽くす量のエサをほんの少し、メダカの稚魚や針子に与えます。エサが無くなったら、またほんのすこしエサを追加します。これを3回ぐらい繰り返します。
これを飽和給餌と言います。
さらに、朝と夕方2回づつこの餌やりを針子や稚魚に行います。こうすれば、エサをあげる頻度は1日2回でも、メダカにとっては6回与えたことになり、成長速度が格段に早くなります。
単なるえさやりでも可能だが・・・
もちろん、メダカの稚魚や針子はエサをあたえれば与えるほどおおきくなるため 、飽和給餌でなくともエサの量を増やせば大きくなります。
ですが、エサを残すほど与えてしまうと水質が悪化します。食べ残しは水を汚し、病の原因となります。また、メダカの稚魚や針子は一度沈んだエサや時間がたったエサを食べないため、一度のたくさん与えても、メダカのお腹に入るのはごく一部になります。
そこで、メダカの稚魚や針子にこまめに少しづつエサを何回も与える「飽和給餌」によって、メダカにたくさんのエサを食べさせることができるのです。
メダカの稚魚や針子を大きくするのはどのエサを与えればいい?
メダカの稚魚や針子を大きくするのには実は粉エサで十分です。多くの業者はミジンコなどの生き餌ではなく粉エサのみで針子を育てています。粉エサも市販のメダカの餌を指ですりつぶしたもので問題ありません。もちろん、メダカのエサの中でも金パケやおとひめなどの栄養価が高いものを使います。
私の場合は「金パケ(金色パッケージのメダカ産卵繁殖用飼料)」「おとひめ」「生体管理フード」「パラクリア」の4種類のうちどれかを使っています。基本的にどれを使っても大丈夫ですが、個人的に稚魚の成長が早いと感じるのは金パケとおとひめです。
https://www.aru-na.net/post-2663
ちなみにゾウリムシやPSB、グリーンウォーターなどを試しましたが、私の環境ではあまりメダカの針子や稚魚を大きく成長させる効果がありませんでした。実際にPSBなどを使っていない業者も多いので、粉エサだけでもメダカの稚魚や針子を育てることは可能です。
最近ではニチドウが販売している「メダカ生体管理フード」の稚魚用のエサがタンパク質60%と非常に高く、成長スピードが早いと話題となっています。
大きな容器で育てる
エサの次に重要なのは大きな容器で育てることです。最低でも10リットル以上の容器で育てないと成長スピードが遅くなります。私の場合、屋外で針子を育てる場合は10リットルのバケツを用意します。
もちろん卵や産まれたての針子なら数リットルの容器でも構いませんが、すぐに水が汚れるためなるべく大きな容器で最初から育てた方が管理しやすいです。
また、飼育密度も成長スピードを早めるためには非常に重要になります。広い容器でも密度が高いとあまり大きくなりません。理想は稚魚1匹につき1リットルです。
屋外で育てる
メダカの稚魚や針子は太陽光を浴びると成長が早くなります。特に気温が高く、日照時間が長い夏は外で飼育すればあっという間に大人になります。
屋外だと太陽光だけでなくミジンコなどの様々なプランクトンが発生し稚魚や針子のエサにもなります。人工飼育下でも強力なライトを使ったり、ヒーターを使うなどして屋外の環境に近づけることもできますが、やはり成長速度は格段に遅くなります。
エサをたくさん与えよう
メダカの稚魚や針子を大きく育てるためにはエサが重要です。ですが、エサをたくさん与えすぎると食べ残しが腐敗して水が汚れて針子が死んでしまいます。そこで、少しづつこまめにエサを与えることで効率的に給餌できます。これを飽和給餌といいます。飽和給餌は針子や稚魚だけでなく、産卵させるときにも使えるのでぜひお試しください。
No comments yet.